✍️クラブイベント情報はこちら!
✍️サイト・動画制作からライティング〜SNS運用代行まで、ご依頼・ご相談などはこちら!

2016年7月6日水曜日

音源リリース!その3♨ 今なぜカセットテープなのか


さて、先週機掲載した
音源リリース!その1♨
音源リリース!その2♨ リリースまでの手順♨
に引き続き、第3弾は「なぜカセットなのか」です。

3月に所用で田舎の自宅を掃除している時に、大量のカセットテープやビデオテープが出てきました。あ~懐かしいな~とか思いつつも、それらを見聞きする手段(カセットデッキやビデオデッキ)がなく、タイトルを見て当時を思い出しただけで、特にそれ以上は何もなく... なんか後ろ髪を引かれる感覚だけが残りました。


それがなんとなく喉に引っかかった魚の小骨のように気になる日々が続き、色々考えていました。そういえば10代後半から20代前半の頃とかに、下手くそなりにミックス作ってカセットにプリントして、下手くそなりにデザインしてジャケット作って毎回300本とか寝る間を惜しんでダビングしてレコ屋に置いてもらって売ってた頃って、スゲー大変だったけど楽しかったな~とか。SPINBADやV.I.P サウンドなどの好きなアーティストのミックステープは擦り切れて伸びておかしくなるまで聴いてたな~とか。


あと、先日地元のレコードショップ RA'S DEN RECORDS にお邪魔した際に、カセットテープを取り扱っていて、昔は当たり前の光景だったのに今じゃ特別に感じてしまうな~とか思ったりして。

考えてみたら、そもそも原点の一つってカセットテープやなと再認識したり。

一方で、アメリカ西海岸などを中心に、カセットテープでのリリースが盛り上がっている事はネットを通じて知っていました。

■秘かに盛り上がりをみせるカセットテープ・カルチャーの歴史と海外カセットレーベルの現状
https://soundrope.com/blog/cassettetape-revival/

■カセットテープは死なない!復活の理由に迫る
http://www.rollingstonejapan.com/articles/detail/25852

あと、CDでのリリースには常に懐疑的です。費用対効果を考えると、コストの割にはメディアとしては終わっている・もしくは終わりに近い状態だなと。自分の経験として、色々な人に色々な音源をCDで頂きますが、PCにデータを移したらほとんどiPhoneで聴く状態で、そのCD自体を聴く事はないなと。周りに聞いてもCDは聞かないとか、同じようにデータを移しているって人ばっかりで、そもそもCDを貰ってもぶっちゃけ聴かないって人もいたぐらいです。つまり、CD自体がデータを媒介するメディアに成り下がっているし、その割にはコストがかかるし、ついでにかさばるし。自分がリリースするなら、USBかSDカードが正解なんじゃないかと思ってたぐらいです。

要するに、他のメディアの選択肢が少ない印象でした。少なくとも、CDは絶対にないと思ってました。

そういうのを踏まえて、カセットってどうだろうと思い始め、業務用カセットデッキやら業務用カセットテープなどを調べてみると ...コスト的にはイケるかも!

そういえば、
カセットってCDみたいに曲飛ばしができないな~=聴くしかないな(デメリットでもあるけど) とか、
メディアとしてはちょうどいい手のひらサイズやな~ とか、
プリント(音もジャケも)からパッケージングまで全部自分で完結できるな~ とか、
音がアナログでホワイトノイズとかも入っててなんかノスタルジックでいいな~ とか、
小ロットで受注生産ができるな~ とか、

...あれ、意外といいんじゃないかなと。むしろ、やらない理由がない...かも...

もちろん、CDと違い誰もが再生環境を持っていないという最大のデメリットはあります。

それでも、カセットを知らない若い世代までがファッションアイテム的に購入し、そこかウォークマンなどを購入して愛聴してるって話や、アメリカで唯一営業を続けているカセットテープ製造工場が創業以来最大の売上を出した話、レコードストアデイと同じように開催されているカセットストアデイ http://cassettestoreday.com の話など、どれも面白くて魅力的やなと。

前述どおり、カセットのみだとデッキもなくて聴けない~ って人は多いやろうから、そういう人向けにカセット購入者限定のダウンロードコードもつければ、カセットでのリリースってかなり現実味のある話だと思いました。国内にも良質なカセットテープ専門のレーベルが複数あるのを知ってたのも大きいです。

■福岡のカセットテープレーベルDuennが生み出すムーブメント
http://hubliminal.com/music/duenn/
http://duennjp.tumblr.com

あと、Amazon出身のキャリアバリバリの人が、カセットテープ専門店をオープンしたってインタビューを読んで、思うところもありました。

■中目黒のカセットテープ屋「waltz」
https://silly.amebahypes.com/posts/493557

■waltz | カセットテープ & レコード from 中目黒
http://waltz-store.co.jp

他にも色々調べました。

■フロアを最高に沸かせるのは、「カセットテープのDJ」だ! Awesome Tapes from Africa
http://heapsmag.com/awesometapes-from-africa-creative-music

■カセットテープの復権を支える5つの優良レーベル
http://www.redbull.com/jp/ja/music/stories/1331769323034/return-of-the-cassette-tape-5-labels

■なぜ今カセットテープなのか……世界がカセットテープに惹かれる理由
http://floormag.net/cassette-tapes/

■【なぜ今?】各業界からカセットテープが注目されてます!僕も実は今でもカセットテープ聴いてます。
http://www.e-earphone.jp/blog/?p=14669

■カセットテープコレクターDirty Dirtがマンスリーでお送りする、連載第一回。カセットテープに関するあれやこれやをご紹介します。
http://themassage.jp/dirt-on-tape-vol-01/

■【Webzineタマガ】カセットテープ復権/タマガ考
http://www2.tamabi.ac.jp/geigaku/20150219-fieldwork/

■カセットテープ専門ストア・Tape Schoolがオープン
http://www.qetic.jp/music/tapeschool-140717/115644/

色々読んで思ったのは、良質な音楽を無理せず身の丈に合ったスタイルで提示していくというスタンスの方々が多いな~という事です。メインストリームにはなれないけど、いいと思うものを自分達が可能な形で提示している印象で好感が持てるなと。ルールなんて必要ない、自分のルールは自分でつくるってスタンスは、アナキズムと共通するところがあって共感しました。やっぱり基本はDIYだと思うので。


一方で、デジタルでのリリースはBamdcamp https://scls.bandcamp.com でやると決めていました。前回も書きましたが、実はiTunesとかAmazonなどの大手デジタル販売・ストリーミング配信サイトでのリリースは全く考えてなかったんですが、Bamdcampでリリースできる情報・内容量で出せる情報量で同じようにできるのかを確認してみた結果、最後まできちゃったって感じです。


そんなこんなで、個人的にはカセット単品で出すのは再生環境が少ないので少し厳しいかもしれないけれど、デジタルと掛け合わせることで問題なくリリースできるのではないかとの結論に至りました。その後、ゆっくり話すタイミングがあったB.S.E.C.のBOWやVanilla a.k.a. Miniraに話して感触を確認して、概ね好評だったので機材・テープ購入をスタートしました。

カセットテープのリリースで他より手間がかかるといえば、CD・デジタルは正方形のジャケが多くデータの流用は簡単ですが、テープのジャケットは長方形なので手直しが結構必要とか、業者さんにお願いしない場合は、テープに音のプリントするのにそこそこ時間がかかる事とか、流通経路の確保とかですかね。

やっぱり宣伝とかはどのメディアを使っても同じように大変だと思いますw

そんな感じで、なぜカセットなのかについてでした!駄文乱文失礼しました♨